踏青

comme un rayon de soleil

2023.4.12

インターネットの片隅に言葉をそっと置いていく感覚で書いていきたいと思っているが、実際このブログはチラ裏や公衆トイレに落書きする程度の勢いで書いている、それでも書き続けることが大事な気がしたから、2年ぶりに開いています。

言葉に対する感性が鈍い気がしていて、自分の中で最近気になっている。鈍いというか、あ〜〜これ実際は誤用とされてるやつだ〜〜(ex.破天荒)とおもっても、言い直す手間とか考えるとめんどくさいので、もうそのまま言っちゃえ•*¨*•.¸¸♬︎マインドになることがある。良くないよな〜

良くないよな〜〜…なんか私ここ最近はもう少しちゃんと生きたいという気持ちがすごいあって、陽の光を浴びて起きたり、紅茶を淹れたり、綺麗な机でフラ語を勉強してみたり、ちゃんと自分の人生と向き合ったりしたい。させてくれよ。

人生と向き合いたい。もっとちゃんと本を読んだり漫画を読んだり映画を見たりして、感想を上げていくことにします。この文章はインターネットという海に放流され、帰ってこられなくなってしまう訳ですが、ここにあげるどの文章に関しても私には一切誰かの何かを否定しようとかそういう気持ちはないのでご了承ください、みんなで楽しく生きていきたいよ。

今はくるりを爆音で聞いている、そういう時期がある。

 

 

ドライブ・マイ・カー

2/21 追記

これ、ねじまき鳥クロニクル3巻の途中の時点で書いたんですけど、読み終わってから考えたらクミコの不倫が肯定されてるってくだりは全部嘘ですね。すみません。以下原文ママです↓

 

 

ドライブマイカーを見に行きました。

 

映画館で映画を見る習慣が元々ないし、最近サブスクで見た、そこそこヒット作のはずのものもどれもクソつまらん。の感想しか残せなくて、感性終わり女になってしまったのだと思って、とても落ち込んでいたのだけれど、これは素直に良いと思えた。だから、どこが良いと思えたのか、そしてどこが良くないと感じたかメモしておきたいと思います。 だれかのなにかを否定する意図は一切ありません。

 

 

村上春樹ってマジでセックスの話好きだよな。 なんでこんなに好きなんだろう?わたしはセックスという存在を嫌悪していて、子供はコウノトリが運んできて欲しいと思っているので、露骨なセックス描写に嫌になってしまった。エロ描写入れりゃあブクマが増える二次創作じゃないんだから、もっと少なくてもいいんじゃないですか?

とはいえ、人の口から音として「オナニー」って言葉聞くことは中々ないので面白かったです……

というか、村上春樹にとって、セックスとはあるいは(あるいは) 肉欲的な現象ではなく精神の交感なんだろうなと思う。てかそうですよね。1Q84における天吾とふかえりの行為も、ねじまき鳥における岡田亨と加納クレタの行為も、肉欲とかを遥かに超越したうつくしい行為として描かれていたから。ドライブマイカ〜において、音が家福とのセックスで物語を紡ぐというのも、同じことなのだと思います。

そして、わたしはセックスをあくまで汚いものだと捉えているから、これにあまり共感できないというだけです。

あと、村上春樹って欲望を肯定しているんだよな…というか、精神的感応としてのパートナーとのセックス/欲望のままに行われるパートナー外とのセックス という二者が同時に存在することを認めていると思います 今回の音、そしてねじまき鳥のクミコ。 欲望のままに行われる性行為に対して、それは欲望が求めるものなのだから、その欲望を恥じることではなく、逆にパートナー側もそれを認めてあげるべきだ… って話ですよね?音は自分の脚本のドラマに出演する俳優食いまくってたわけだし、クミコも亨がありながら他の男をどうしようもなく求めるわけだけど、それに対して家福/亨はどうこういうことはできなくて、認めて貰えないなら自分が治す(反省する)のではなく離婚という手段に出る。

で、わたしは不倫はいけないことだと思っているので、これにあまり共感できないということです。

あと最近村上春樹作品を読みまくってるおかげで、家福が成田行く→連絡せずに帰るになったときに絶対にこれは浮気している!!!!!!!と思っていたら予想通り浮気していたのでとても嬉しかったです。

てか、あんな他人がセックスしてるソファー、絶対嫌だなと思った

 

まあこのように、セックスに関係するところにおける村上春樹とわたしはビビるくらい意見が違うなとおもう。タンポンを部屋に置いてくとか最悪ですからね……てかタンポンなんだ。ナプキンではなくて。タンポンとか使うか?

でもそれはどうでも良くて、こんなにも意見が違うのにじゃあなぜわたしはこれに感動できて、そして村上春樹作品を色々読んでいるのかってことを考えていきたいと思います。

 

ドライブマイカ〜に関しては、私が元々小劇場的劇が大好きで、ゴトーもワーニャ伯父さんも大好きって所があるのかなと思いました。あとは音楽が良かった〜←アホの感想

映像も綺麗だったけどしっかりストーリーが立ってるところが良かったな…… なんか、わたしは村上春樹の中でも1Q84とかネジマキ鳥とかは好きだけど風の歌を聴けとかはそんなに好きじゃなくて、つまり分かりやすくストーリーがある話が好きなんですよね… これは私の読解力が無いだけなんですけど。というわけで、今回もちゃんとイベントが起きていて良かったです

あと岡田将生のキャラ!!!高槻くん!!!!!あれがめちゃくちゃ良かった。顔が良いクズ男が好きなので、バーのシーンでついセックスしちゃうんですよね☆彡.。って言ってるの聞いて最高男が出てきたと思ったし、殴りに行ったシーンは最高だったし、最後の退場も完璧だった…… 綺麗に破滅してくれて、ありがとう。

あんな分かりやすく写真撮ることあるんだ。って結構ウケたけどな。snowとかで撮れよ。

あと途中の、家福の車と高槻くんがすれ違うとこ、目が悪いのであそこがよく分からなかった。あの中国の女の子と高槻くんがセックスしたことは分かった。 ヤクザ的男の車に追突した?ということ?アレから問題が発展するのかと思ったらそういう訳でもない(アレと写真とは無関係)?

こういうこと考えてる時、馬鹿に見られてる映画が可哀想になる。私ごときが見てすみません。

 

人にとってのいろいろなセックスのあり方というのもテーマだったのかな(てきとう)。

音=家福間では、こどものかわりに物語を生み出すための手段だったし、でも音はそれだけじゃなくてただ欲望のままに生きるためのものもあった。 高槻くんは「理解する」ためにするって言ってたけど、それと欲望はどう絡んでくるんだろうな…

 

てか凄いどうでもいいんですけど、村上春樹作品におけるセックスって先述した通り肉欲をはるかに超えた精神面における交流なんですけど、つまりなんか肉欲的興奮を持たないままに、夢の中(これはあるいは現実でもある)でセックスするんですけど、その描写見る度に良く勃つよな!!!!!!!とおもう。 元気すぎるだろ。

 

凄いどうでもいいことを言ってすみません。

 

てかねえ、ドライブマイカ〜、あのドライバーの子のキャラクターがはちゃめちゃに良かったんですよね………一億点………なんか服可愛いし 生きるって大変だよな

それでも生きていかなくちゃいけないんだよな…

なんで生きていかなくちゃいけないかって、この苦しみを忘れないためってことなんだろうな

 

北海道で花を投げるシーンがとても良かったです。

 

あと、脈絡ゼロの感想だけど、フェリーのところで高槻くんについてのニュース流れた後に動物園にキリンが生まれたみたいなニュースが流れるのめちゃくちゃ良かった。あそこ、素晴らしく良かった。あれが完璧なリアリティを提供していたと思います。

 

う〜ん

多言語劇のはなしとかさあ… 最後はなんであのオチなのかとかも考えたいんですけど… 

最後のオチは正直よく分からなかったです。犬もいるし韓国だし、ドライバーの子とあの人とあの人でみんなで韓国に住んだってこと?だったらあの家で、韓国にいるか広島に来るか悩んだけど、私が韓国にいる友達や家族の分話して笑えばいいと思って来ました。って語るシーンがよく分からなくならない?

でも、家福が車を手放すことができたのは良かったことなんだろうなとおもう。 音に対してあれだけ複雑な気持ちをもったまま、音との思い出だらけの車なんて乗り続けるものでは無いですよ しかもとても大切にしていた車を譲ってもいいと思える相手に出会えたこと、とても良かった。 家福は家福なりに、穏やかな生活を送っていたらいいなと思います。

 

なんか全然意味わからん文になってしまいましたが、とても良かったと感じたことは本当。

2021.12.09

秋日狂乱

 

僕にはもはや何もないのだ

僕は空手空拳だ

おまけにそれを嘆きもしない

僕はいよいよの無一物だ

 

それにしても今日は好いお天気で

さつきから沢山の飛行機が飛んでゐる

──欧羅巴は戦争を起すのか起さないのか

誰がそんなこと分るものか

 

今日はほんとに好いお天気で

空の青も涙にうるんでゐる

ポプラがヒラヒラヒラヒラしてゐて

子供等は先刻昇天した

 

もはや地上には日向ぼつこをしてゐる

月給取の妻君とデーデー屋さん以外にゐない

デーデー屋さんの叩く鼓の音が

明るい廃墟を唯独りで賛美し廻つてゐる

 

あゝ、誰か来て僕を助けて呉れ

デオゲネスの頃には小鳥くらい啼いたらうが

けふびは雀も啼いてはをらぬ

地上に落ちた物影でさへ、はや余りに淡い!

 

──さるにても田舎のお嬢さんは何処に去つたか

その紫の押花はもうにじまないのか

草の上には陽は照らぬのか

昇天の幻想だにもはやないのか?

 

僕は何を云つてゐるのか

如何なる錯乱に掠められてゐるのか

蝶々はどつちへとんでいつたか

今は春でなくて、秋であつたか

 

ではあゝ、濃いシロップでも飲まう

冷たくして、太いストローで飲まう

とろとろと、脇見もしないで飲まう

何にも、何にも、求めまい!……

 

大岡昇平編 『中原中也詩集』岩波文庫

p,197~

 

 

 

何にも求めることのない人生を送りたい!

中学生くらいのころ、中原のなかでこの詩を1番好きだと言っていたけど、そのころは上辺しか理解出来ていなくて、まあ今も変わらないのだけれども 今の気持ちにもっとも響いた詩です

まだ秋ということで、この散文のはしがきとして。穏やかな日々を送りたい。

 

今日読んだ本:『1Q84 Book1 前編』村上春樹